音楽の作り方がまた変わった
グループサウンズ(エレキギター)→ YMO(シンセ)→ 小室(DAW打ち込み)→ ボカロ(歌声合成)——日本の音楽は約10年ごとに「音楽を作る道具」が変わってきた。
そして2020年代、また変わった。今回の変革はAIだ。
2020年代の日本音楽シーンを定義する5つの潮流
1. 米津玄師とYOASOBIが証明したこと
ボカロP出身の米津玄師が「Lemon」(2018年)で国民的アーティストになったことは、「DTM出身者がポップスの頂点に立てる」という事実を証明した。
YOASOBIは「小説を音楽にする」という新しい概念を持ち込み、Ayaseのプロデュース手法(ボーカロイド→人間ボーカルへの書き下ろし)が新世代の制作スタイルを確立。
2. Vtuber(バーチャルYouTuber)と音楽
にじさんじ・ホロライブに所属するVtuberたちが音楽活動を展開し、YouTubeでの楽曲公開→Spotify・Apple Musicでのリリースというパイプラインが確立した。
音楽×配信というビジネスモデルは、従来のCD販売とは全く異なる収益構造を持つ。
3. サブスクリプション時代の楽曲制作
Spotify・Apple Music・YouTube Musicが主流となり、1曲あたりの再生単価で収益が決まる時代に。
| プラットフォーム | 1再生あたりの収益(概算) |
|---|---|
| Spotify | ¥0.3〜¥0.5 |
| Apple Music | ¥0.8〜¥1.0 |
| YouTube Music | ¥0.1〜¥0.3 |
| YouTube(動画広告) | ¥0.1〜¥0.3 |
4. AudioStockと日本の音楽ストック市場
💰 ストック音楽で収益化
AudioStock(日本最大の音楽素材サイト)では、DTMで作った楽曲・効果音・BGMを販売できる。1曲の販売価格は数百〜数千円。コツコツと素材を蓄積することで月次の継続収益が生まれる。
- 審査通過率:約70〜80%(品質基準あり)
- ロイヤリティ:販売価格の約40〜50%
- 人気ジャンル:BGM・企業向けコーポレートミュージック・ゲームBGM
5. AI音楽の台頭
2023年以降、Suno AI・UdioなどのAI音楽生成ツールが登場し、テキストプロンプトから完全な楽曲を生成できるようになった。
これは脅威か、ツールか——その答えは使い方次第。
今から音楽制作を始めるためのロードマップ
Phase 1: 基礎を作る(0〜3ヶ月)
- DAWを選んで導入(GarageBandまたはCubase Elements)
- オーディオIFとモニターヘッドフォンを揃える
- 毎日1〜2時間、既存曲のコピーから始める
Phase 2: オリジナルを作る(3〜12ヶ月)
- 好きなジャンルのコード進行を学ぶ
- 月1曲のペースでオリジナル楽曲を完成させる
- SoundCloud・YouTubeでフィードバックを集める
Phase 3: 収益化(12ヶ月〜)
- AudioStockへの楽曲登録を開始
- SpotifyへのDistroKid経由での配信
- ライセンス販売・案件受注へ
グループサウンズから現代まで——音楽を始める理由は変わらない
1960年代のエレキギター少年も、1980年代のシンセキッズも、2007年のボカロPも、2024年にDAWを開いた人も——全員が同じ動機から音楽を始めた。
「あの音楽を聴いて、自分も作りたいと思った」
その衝動は時代を超えて変わらない。道具が変わっただけだ。今あなたの手元にあるパソコンは、YMOが使っていたスタジオ全体よりも高い演算能力を持っている。
始めない理由はない。
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AI音楽と人間の音楽——2024年の現在地
Suno AI vs 人間のDTM制作——比較表
| 項目 | Suno AI | 人間のDTM |
|---|---|---|
| 制作時間 | 数秒 | 数時間〜数日 |
| ユニーク性 | 生成ごとに異なるが偶発的 | 意図した通りに作れる |
| 感情の深さ | 表面的には自然 | 経験・感情が反映可能 |
| 著作権 | 曖昧な部分あり | 明確に制作者のもの |
| 修正の柔軟性 | 限定的(プロンプトのみ) | 細部まで自由に変更可能 |
| AudioStock審査 | 現在は人間制作のみ通過 | 通過可能 |
YOASOBI「夜に駆ける」が変えた制作スタイル
Ayase(YOASOBI)の手法:
- 小説(原作)をリード:楽曲の「物語」を原作から借りる
- ボカロ風の高速フロウ:音節を詰め込むスタイル(wowaka直系)
- EDMとJ-POPの融合:ドロップとJ-POPのABサビ構成の組み合わせ
- ikuraの声質の活用:ボカロ的な透明感のある人間ボーカル
2024年の音楽制作ロードマップ(最新版)
Step 1: DAW(Ableton Live Intro、¥9,000〜)
Step 2: オーディオIF(Focusrite Scarlett Solo、約¥15,000)
Step 3: モニターヘッドフォン(SONY MDR-7506、約¥15,000)
Step 4: Suno AIで曲のコンセプトをプロトタイプ
Step 5: プロトタイプを参考に人間の手でフルアレンジ
Step 6: AudioStockに投稿して収益化
この流れがAI時代の「人間とAIの協働制作」の最前線だ。